ファンビジネスを考える(仮)

音楽業界で18年以上勤めてきた中で、「ファン創り」はどんな業種でも重要ということを伝えたくてブログをスタートしました

「営業マンもファン創り?」

今日は少しファンビジネスの手前にある「ファン創り」に関して書きたいと思います。

とは言え、一人の社会人における「ファン創り」の実例を基に紹介します。

 

 私自身の社会人経験で、宣伝部に所属していた時代、所属アーティストの売り込みのため、日々、雑誌社を数十社担当して営業をしていました。

新卒の研修が終わり宣伝部に配属された頃、先輩に「アーティストを売り込むより、お前のファンを業界に創ることが大事だ。」と言われていました。

「え!?アーティストを気に入ってもらう前に、自分のファンを創ることが大事???」と新人時代悩んだものです。

 「自分のファンをどうやって創るか?」これを体感したのは、新入社員1年生23歳のときです。

就職するまで上京したことのない私にとっては毎日が不安。そのせいか態度や表情にも出ており暗い社員に見えたのでしょう。

同期配属の皆は外回り営業のアシスタントをスタートしていましたが、約1年近くは社内の雑務と電話とりの仕事でした。「何のために東京まで単身できたのか?」と日々悩んでいたのも確かです。

ただ、最高の雑務と最高の電話取りでも目指すかと考えて、少しでも先輩社員の最高のサポートを提供できるようにと行動にとり始めました。

当時、「サクセス・ストーリー」のような企画が社内にあり、全社員に仕事を通じてどんな夢をかなえるか?というのを明言して、それを週報に進捗状況を記載し続けました。

何を書いたかというと、雑誌にあるレコード評を730個獲得するという目標です。とは言え、社内雑務と電話取り中心で、担当媒体など無い状況で何故、こんな目標を立てたのか?

電話取りをしていると、先輩社員が担当としていない小さな出版社、首都圏や地方都市のフリーペーパー、企業が無料で配布するフリーペーパーなどの問合せが多いことに気付いたのです。電話受けた上記のような出版社や編集プロダクションの電話番号と担当者のお名前を聞き出し、自分から電話で売り込みをスタートしました。

また、アーティストの商品(作品)を紹介する紙資料の少しでも目立つような作成を創意工夫して取組み、更新情報があるたびにアップデートすることを徹底しました。

当時プロモーション営業時に取引先に配布するものがカセットテープだったために、それを新作の音源が入手される度に先輩社員の必要分をダビングして紙袋にいれて朝10時の出社に併せてデスクに紙資料と共にセットし続けました。

 

その結果、「サクセス・ストーリー」で標榜したレコード評730個も達成。

紙資料の制作部の担当ディレクターからも指名で作成依頼が来るようになり、先輩社員にはいつも感謝してもらえるようになりました。年度末には「サクセス・ストーリー」で社員表彰を受けることにまでなりました。

自分が知らない社員も、私の名前や存在を知ってくれる状態ができたのは、自分がターゲットとする顧客層に、安心、驚きや感動を提供し続けたのが要因だったと思います。

これが、「自分のファンを創る」という体験でした。

 

今後ブログに書かれてある記事を、アーティストやサービスだけでなく「自分自身」に置き換えて読んで頂くと、日々の営業活動にでも微力ながらでも、お役立て頂ければとも考えています。

はじめに…

沢山に人に注目されたい、より多くの人に集まって欲しい、自社のサービス・商品を沢山の人に購入して欲しい、

リピーターを増やしたい等、ビジネスを展開する上で常に考えるべきことだと思います。

インターネット及びネットサービスが一般的な生活にまで浸透してきたことで、より多くの人が発信者や提供者になれるチャンスが増えています。ユーチューバ―と呼ばれる、自身で撮影した動画をYouTube上で公開することで収益を得る存在や、ニコニコ動画からもアーティストとなる人も多く輩出され、ユーザーのプロ化も進んでいます。

 

YouTubeニコニコ動画アメーバブログにただ投稿・運営すれば人気者になり収益が得られるという訳では、ありません。

当然、発信・提供されるコンテンツの質やターゲット層のニーズにマッチしているか?他と差別化された何かがあるか?など根幹となるものはありますが、「ファンをどうやって作るか?」に注目していかないと、折角の品質・才能や差別化があっても、日々世の中に溢れ続けるコンテンツに埋もれていきます。

今後、ファンビジネスを展開するには、(セルフ)プロデュース能力が必要となってくると私は考えます。

 

上記のような視点で、実際に私が音楽業界で経験したこと、IT事業で経験したことをブログで書き綴っていきたいと思います。

 

ちなみに、現在、音楽の専門学校や某人材派遣会社で「ファンビジネス」(ファンクラブビジネス)の講師を務める機会も頂戴できるようになりました。