【実体験】無料で集めた後の有料化
アプリビジネスなどでは典型的な方法です。
ただこの手法は、都度課金に関して強みがでるのではないでしょうか?
ゲームのような進行をスムーズにしたい。他者に負けたくない、時間を短縮したいなどの欲求を満たす際に機能すると思います。
実際に無料で集客して、ある程度のサービスを提供し、より深いサービスを受けるには年会費を支払うというファンクラブサービスを運営してきていますが、有料化に繋げるのが非常に難しい。
無料会員を少しでも集めようと、様々なサービスを提供した結果、有料化にするには期待以上のコンテンツが準備されないといけません。
逆に期待以上のコンテンツを提供することで高額サービスを成功させた事例もあります。
正直、無料で集客して段階的に有料化という手法をファンビジネスで活かすのは、扱う商材によっては非常に難しいと考えています。
この部分をもう少し考えていきたいと思います。
【実体験】「営業マンもファン創り?②~驚きや安心の提供~」
当時の会社の通用口は、23時に締まるのです。
その後は社内に残っている人が内鍵を開けて外からの訪問者・帰社してくる人を迎え入れるシステム。
だいたい深夜残業していると会社電話が鳴り...
「おー、やっぱりいたか~。助かった。今から30分で戻るけどまだ会社いる?」
こんな、驚きや安心を提供することで、「こいつは信頼できる」みたいなブランドが形成されたと思います。
ネガティブな書き方をすると便利屋のように思われるかもしれません。
所詮、新卒社員で入社した身、中途採用と違って「経験と実績」がないので初期は便利屋扱いをされても仕方ありません。
先輩社員を自分の顧客として、この人たちをどうやって自分のファンにするか?という切り口で考えると、どんなことをすれば、驚きや安心が提供できるか?も見えてくると思います。
ちなみに決して、先輩社員や上司に媚びている訳ではありません。
自分に経験と実績が無かったので、関係作りのための手段だったわけです。
【余談】ファンが居たから…の話
俗に言う業界にいると、仕事に関する様々な会食に呼ばれ、自身も開催することがあります。
深夜に呼び出されることもあります。
例のごとく、深夜に携帯電話が鳴って自分が担当しているアーティスト及び所属プロダクションの社長やクリエーターが集まって飲食をしているので、そこに合流する指示の連絡でした。
当時は、「呼ばれたら最短に現場に向かう」、まるで刑事のような考えで深夜のタクシーを捕まえて急行。
私と同じように呼ばれた現場関係者がまだ到着していなかった為、「若手で最初に来たのはお前だね」とか「お前は何時の電話連絡でも断らず来るね」とか酔った諸先輩方のお世辞を聞きながら、会食場所のセンターに案内された。
各プロダクションの社長や幹部、アーティスト、クリエーターの皆さんに、「到着しました!」と挨拶しながら駆けつけ数杯のワインを飲みほして席に着いたわけです。
ちなみに、私はプライベートで本当にお酒を飲みません。あっても親族が集まった時などくらい。
仕事のお酒は、仕事のためと思って若い頃は、人並み以上飲むようにしていました。
話しは戻して…。
着いた席では、今の業界における状況や、今後のインターネットに関することなど色んな話が出ていました。
たまたまですが、私の隣には某有名人が座っていました。私が中学生の頃に多くの女子が熱狂していたアイドルグループの方です。今でもオーラのある方です。当然、面識があるわけでないので簡単な自己紹介として自分が担当しているアーティスト群を話ました。
その話の流れで彼は、「絶対にファンクラブを大事にしておくんだ」と強く言っていたのを今でも覚えています。
「今テレビにも出てない俺を君は、きっと、どうやって飯を食べてるのか?どんな家に住んでるだろうとか?お金大丈夫?とか想像しているだろ??」
確かに、この話をした当時はほとんどテレビなどメディアに出ることもなく、世の中一般的には過去の人のイメージは否めない状態でした。
「ファンクラブのファンを大切し続ければ、何でもできるんだよ。」
「例えば、10,000人でも30,000人でもいい、ファンクラブ会員が居てくれれば、舞台活動もできる」
「だって、50~80%はチケット買ってくれるでしょ?書籍や写真集を出しても最低限購入してくれる人数はわかる」
「だから、ファンは大切にしないといけないんだよ。君が担当しているアーティストって今、めちゃくちゃ売れてるからこそ、ファンを大切にしないといけないんだ、そしてファンの皆が喜ぶことをしないとだめだよ」
この会話は今でも、私の心に刺さっています。
「ファンを大切にすることが、アーティストにとって長生きできること」
ある芸人さんの書籍にも同じようなことが書かれていました。
一度人気が失速したときに、生活を助けられ頑張れたのは「ファンクラブのファン」であったと。
ファンクラブに関する講師をするときの「ファンの大切さ」を話す際によく話をさせてもらっている事例を書きました。
【概論】なぜ「ファンビジネス」と私は呼ぶのか?
「ファンクラブビジネス」というと、芸能人のやることと先入観を持たれ、閉鎖的なヲタク的なイメージを持ってしまいませんか?
また、一般企業がよく使う「顧客の囲い込み」など「提供者側」の理屈の表現である。「一度、囲い込んだら逃がさねぇ~ぞ」みたいな。
「囲い込む」と言うのは正しいのか?上からの立場で表現しているように感じるからです。
私の考えるのは、集めた顧客を企業や対象者(物)が一方的に提供者側の論理・理屈で企画・実行するのは、ファンビジネスではないと思います。
ファンとの対話や顕在化されたニーズだけでなく、潜在的なニーズを見つけ出し、サービスや商品を提供し、お互いが満足できる「場」作りが必要だと考えます。
このサービスを展開する「場」で行うことをファンビジネスと呼んで、そこをどのように調整していくかが重要だと考えています。
少し歴史を辿ってみると、ファンとは特定の対象の応援・支援者である。
相撲の世界から日本では、「タニマチ」として応援・支援者が存在していた。
諸説あるかもしれないが、恐らく、これが日本のエンタメビジネスにおけるファンビジネスの原型であると考えます。相互にニーズを満たすことで、成り立つ関係ではないでしょうか?
ウィキペディアより
主に贔屓(ひいき)にしている力士やスポーツ選手、歌手などの芸能人に多額の援助という形で後援し、後見人的立場となっている人物のこと。援助の形態としては繁華街等での豪遊から、本業における多人数分のチケット費負担及び人数動員による客集め、私生活での金銭援助や副業への協力、異性問題等のトラブル処理など多岐にわたる[1]。その見返りに一緒に食事をしたり結婚相手の推薦や評価をした上で結婚式の仲人を務めたりする等して、有名人と特に親しい仲であることを周囲にアピールできる。また、相撲界ではタニマチから提供されるものは相手を精査せずに何でも頂く「ごっつぁん体質」が存在する。
特に近年では個人後援会やファンクラブなどの組織が多く普及している。昨今の経済情勢からか、個人後援会やファンクラブの多数台頭に伴い、慣例のタニマチ的行為は少なくなっている。
【概論】改めて、「ファンビジネス」がなぜ重要なのか?
当たり前のことですが...
・応援してくれる、支援してくれる人が多い程ビジネスが最大化する。
人気テレビゲームソフトの「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」にはファンがいます。
あの世界観やストーリー背景に感情移入する人、更にそのゲームのプロデューサーや関係者までも尊敬してコアなファン化していく。
そういったファンが購買の中核となり、更に作品ごとにプロモーションを強化することで、新規ファンを獲得し成長していくという流れです。
またシリーズ化することで、ボトムの販売数が予測でき、会社の売上の根幹を担うサービス・商品へと成長していく可能性ができます。
ファンがいれば、様々な挑戦ができる可能性が拡がるのです。